ブリストルからロンドン近郊へ引っ越しました。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
最近日本のニュースで取り上げられていた、BBCの「QI」という番組のこと。

私は普段、この番組を見ないのだけどコメディー番組であり、いろんな知識や教養を必要とする番組であるということは知っていた。だからこそ、日本のニュースを初めて読んだときはかなり驚いた。


日本の被爆者を笑いのネタにした。


イギリスのコメディー番組は、ただギャーギャー騒ぎ立てて笑いを誘うようなものではなく(そういうものももちろんあるけど、日本ほどは多くない)、何かの御題にたいして「上手いことを言う」というのが多い。上手いことを言うためには、知識や教養も必要とされる。

さらに、イギリスはブラックジョークの国。初めてそれに触れたときは「こんなこと言って訴えられないのか?」と聞いているこちらがハラハラするほど、かなりきわどいギリギリのところまで突っ込んで笑いに変えてくる。そのギリギリ具合が絶妙だと、また笑いを誘う。

しかし、政治家などについて痛烈な皮肉と批判をこめた冗談を言うことは大いにあるのだけど(というか、それが真骨頂だったりする)、たとえば誰か一般人を槍玉に挙げて、ギリギリどころか完全にアウトな事で笑いを取るようなことはほとんどない。

今回問題となった『QI』はイギリスでとても人気のあるコメディー番組の1つ。この番組の売りはやはり出演者のトークの腕。だからこそ、このニュースには驚いていた。一般人を、ましてや被爆者を槍玉に挙げて笑いを取るというのは、いくらブラックジョークの国イギリスでも度が過ぎているし、実際にそれが起こったというのが信じられなかったからだ。

しかし、日本人として原爆被害者をコメディー番組で取り上げたということ自体に納得がいかず、また日本の記事を読む限りひ城に腹立たしく思った。だからこそ余計にその番組を見る気にならず、探そうと思えばYoutubeで映像を見ることが出来るのはわかっていたけど、それもしなかった。

そしてたまたまツイッターで昨日見つけたリンクがこちら。
その番組を見て確認するのは気が進まなかったのは事実だけど、やはりどういうやり取りだったのかがすごく気になっていたのでこのサイトを確認してみた。


http://blog.goo.ne.jp/mithrandir9/e/5d8249376ac2592288a873dcbf11e412



そして思ったこと。「ああ、やっぱり」。


そもそも原爆被害者を番組で取り上げたこと自体に、私個人としてはいい気はしない。そして観客達の笑いにも苛立ちを覚える箇所はある。しかし、日本の報道にあるように被爆者を笑いものにしているわけではないというのは明確で、ここに言葉の壁・文化の壁の恐ろしさを感じた。

リンク先のブログにもあるように、たとえば広島から長崎へ電車で移動したというくだりには、被爆者の不運を笑っているというよりは、原爆が投下された翌日でも電車が動いているという事実へのある種の尊敬をこめた驚きと、自分の国(イギリス)では絶対にありえないという自虐的な笑いであるように受け取れる。だって、イギリスの電車って「人員不足でキャンセル」「大雨でキャンセル(日本ではキャンセルになりえない程度の雨でも)」になることが当たり前。ブログ内にもあるように、本当によくわからないというか、「おちょくってるのか?」というような理由で堂々とキャンセルされる。イギリス人は、自分の国の「優れていない点」をよくわかっていて、それを自虐的に笑いのねたにすることも多い。

ただ、このジョークは先ほども触れたように誰にもわかるものではない。たとえ英語を母国語とするアメリカ人やオーストラリア人でも、イギリスのジョークはブラック過ぎて通用しない部分もある。だから日本人が誤解をするのはある意味当然とも言える。


冗談だから、イギリスの文化だから、といって許されるかというと、個人的にはやはりそうではないと思うし、この番組を見ていて仮に冗談のすべてが私の英語力で理解できていたとしても、やはり腹立たしい思いをすると思う。


しかし、日本の報道とイギリスの番組を照らし合わせて、「国家間(異文化間)の誤解って、いとも簡単に生まれるものなんだな」と再確認。英語力の問題ではないのよね、こういうのって…と妙に納得してみたり。普段から仕事でもそれを感じることが何度かあり、こういう行き違いって仮に世界中に人々が共通の言語を話せたとしても無くならないんだろうな、と世界の広さを感じずにはいられませんでした。


スポンサーサイト
2011.01.24 / Top↑
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。