ブリストルからロンドン近郊へ引っ越しました。

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伸ばしに伸ばしましたが、やっとこさ「カフェ」シリーズの最終回です(笑)。


ブリストル・グロスターロードにあるカフェから、コッツウォルズ地方の端にある新店舗に移ってから、とにかく週末のえげつない忙しさ、そしてお客さんのタイプの違いに戸惑いの連続。
場所柄、週末にはイベントが多く催され、そんな時には朝10時前後から閉店の夕方6時まで常に行列が途切れないような状態。そう、カフェで30分も行列。どうしてこんな事に?


その前に一つ皆さんに質問です。
「カフェ」ときいて思い浮かべるのはどのようなお店ですか?


私が個人的に「カフェ」と聞いて思い浮かべるのは、小じんまりしていて、美味しいコーヒーや紅茶、好きな飲物いただきながら1人で静かに本を読んだり、たまには友人同士でおしゃべりにこうじたり。

私は「カフェでの時間の使い方、楽しみ方」を知っているお客さんたちのいる風景が本当に好きで、学生時代にこの独特の雰囲気や空間に私は恋に落ち、その風景を今も探し続けているのだと思います。だからこそそんなお客さんたちのいるその空間に、毎度うっとりしていました。


だからこそ、コーヒー一杯に30分並ばなくてはならない状況に陥ってしまうこと、星付きレストラン並みのサービスを要求されること、お客さんがいつ入店、もしくは帰られたかすらわからないような広い空間など、どんなにうるさかったとしても客商売である以上の最低限のあるべき姿、そしてお客もそのスタイルを理解していることから大きくズレてしまった現実に辟易していたのです。



少し話が脱線しますが、個人的にイギリス人はレストランやカフェなどでも、とにかく「うるさい」です。話し声がとにかく大きいのです。カフェで友人と話をするにも、クラブやパブにいるように半ば叫ばなくてはならないようなことも多々あります。私はとにかく「カフェ」が大好きなので、旅行に行く度に何軒かカフェめぐりをするのが常なのですが、少なくともこれまで訪れたことのある国の中ではイギリスほどうるさい国って他にないような気がします。良い悪いではなく、これがイギリス式でイギリス人が好むスタイルなんでしょうね。ただ、最近では「本格的なカフェ(コーヒー専門店)」も増えてきており、さすがにこういうところのお客さんは落ち着いています。




では、どうしてこのお店ではコーヒーに30分も並んでしまうのか。


イギリスではあまり行列を見たことがありませんが、どうしてそれがこのお店では毎週起こってしまうのか。
それは、このお店の「広さ」が原因だと私は思っています。このお店、なんと客席が100以上あるのです。以前のお店は30席。この3倍以上です。もちろんお店の面積もべらぼうに広いです。

100席もあれば、どんなに行列ができていても、お客さんはテーブルを確保することができます。全くテーブルが空いていなければ、行列が無くたって「サービスに時間がかかる」ことが視覚的にわかります。しかし、目の前にどんなに長い行列が会ったとしても、テーブルが確保できたら「それほど待たずにサービスを受けられる」と思ってしまうのが当然です。だってまさか、対応しきれないにもかかわらず過剰にテーブルが供給されているだなんて誰も思いませんもの。

さらに、こんなに広いお店なのに、週末に働くスタッフの数は30席のお店と同じ、もしくは1人追加されるだけなんです。30人のキャパシティーのお店でさえ、忙しい時間帯は4人のスタッフが休む間もなく働いて、それでも洗い物が溜まってしまうというのに、同じ人数で3倍以上のお店を仕切ることなんてどう考えても無謀でしょう。しかも、満員なら諦めて帰るというお客さんが1人もおらず、行列は長くなる一方なわけです。



大人数のグループのお客さんが多い



複数の注文が一気に入る



サービスに時間がかかる



レジ前の行列が長くなり、お客さんの待ち時間も長くなる



スタッフ働きまくる



長く待たされたお客さんから苦情



スタッフのストレス増加



お店が大きすぎ目を配れないので、テーブルは汚れたまま



空のコーヒーカップが重ねられた汚れたテーブルでコーヒーを飲むお客さん





どう考えたっておかしいんです。誰も楽しめない。コーヒーってのんびりしたり、休憩したいときに飲むものなのに、この状態で誰が楽しめますか?


…いや、空いたグラスがのった汚れたテーブルっていうのは、イギリスだと取り立てて珍しいものでもなく、むしろ「基本」とさえ言えるほどだったりするのですが(苦笑)、でもだからといって好き好んでそんな状況で飲んだり食べたりする人はいないわけです。




でもこの状況でも、得をしている人がいるんです。



それは、このコーヒーチェーン(会社)。


普通ならお店がいっぱいで入店を諦めてしまうお客さんがいるわけですが、この方式ならひとりとしてお客さんを逃さなくてすむわけです。もう、まったくもってお客さんの事を考えていない。

そして、これはどんな企業でも同じでしょうが、こういう会社で長く務めている人たちは、会社と同じくそういう視点が欠落しています。どんなに言っても聞かない…と言うか理解してくれない。だってそういう視点をそもそも持っていないから。



それでも、30分待たされてもコーヒーを飲みに来るお客さんは大勢いて、少しずつ常連さんも増えて…だから需要と供給は合致しているわけですよね。究極的に言えば、私がそのシステムに合わなかったということ。それだけ。




システムへの不満、会社への不満、そして自分が気持ちよく働ける環境はここにはないことがよくわかり、お店を離れることにしました。あんなに好きだった仕事なのに、辞めたあと自分でも驚くほど「後悔なし」。むしろスッキリしたというか。



たぶん、あのコーヒーチェーンで自分ができること、勉強し吸収できることをやりきったという実感があったのだと思います。ここで学んだことはコーヒーの入れ方やお客さんのこと、英語でのコミュニケーションの難しさ(スラングや訛りを含む)のみならず、マイノリティーとして外国で生きるということ、人種のかべ、異文化理解、教養、視野の広さ…。


ものすごく大げさに聞こえるかもしれませんが、本当に大学時代のゼミで是非取り上げて皆と議論したいくらいにすごく濃いものでした。正直、すっごくしんどかったです。あまりのストレスに、マイナス思考から抜け出せなくなったりもしましたが、今になって思えば、こういう環境で働いたからこそ見えてくるもの、知ることが出来る世界もたくさんありました。そういう意味でも、ここで働くことを決めた自分にむしろ「グッジョブ!」と言ってやりたいほど(笑)!ただ、コーヒーチェーンでの仕事は、自分にはもう十分なので次に行かせていただきやす!と言った心境です。



ということで、長らく「カフェ」シリーズにお付き合いいただきありがとうございました。そういえば「マッサージ」シリーズもまだ終わってないので、それはまた気が向いた時に(笑)。
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2013.06.17 / Top↑
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