ブリストルからロンドン近郊へ引っ越しました。

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いよいよ開演。役者たちが舞台に出てくる。自分の目の前で繰り広げられている舞台に、ここがロンドンであることを忘れる。

白塗りの役者たちの、歌舞伎独特のせりふ回し。女形ももちろん男性。前に大衆歌舞伎を見たことがあるとはいえ、この独特の世界観を持つ日本の伝統芸能は、日本人である私から見ても「なんか、不思議」。この不思議な空間に居合わせた外国人の観客たちの反応はどうなんだろう、と初めは舞台よりもそちらが気になってしまったほど。

しかし、私を含めた歌舞伎を見なれていない観客が「変なの」から「これはすごい」と舞台に引き込まれるまで時間はかからなかった。初めは見なれない歌舞伎独自の衣装、化粧、せりふ回し、何もかもが奇異に感じられたのだが、15分後にはそんなことを全く感じなくなり、いつの間にか夢中になっていた。そして前半の幕が下りる前にはすでに、「この舞台を鑑賞できてよかった」とこの機会を持てたことに感謝した。

今回上演されたのは「義経、千本桜」。名前は聞いたことがあっても、恥ずかしながら話の中身など全く知らなかったわたくし。歌舞伎というと、前回みた大衆歌舞伎以外では、子供のころにNHK BSで放送されていた歌舞伎中継をチャネルを帰る時にたまたま目にしたくらい。酷く退屈に思えたその舞台を、お金を出して見ている人がいるということを不思議に思っていた。そんなわたくしが、歌舞伎に夢中になるとはだれが想像しただろう。

大須の大衆歌舞伎は、劇団が定期公演の一つとして歌舞伎を取り入れたもので、もともと歌舞伎を専門にやっている人たちではない。それでも、歌舞伎独特の観得(ストップモーションで行われるポーズのこと)を目の当たりにし、私の中の細胞なのかなんなのか、それがぶわっと立ち上がるようなものを感じた。だから今回の歌舞伎はきっと楽しめるだろうと思っていたが、実際はそれ以上だった。

歌舞伎を見たことのある人なら当然と思うかもしれないが、ほぼ初めて観た私にとって、歌舞伎の舞台があんなに躍動的なものだとはかなりの衝撃だった。とにかく動くのだ。もっと「静」のイメージのほうが強かったのだけど、実際は真逆。演技はもちろん、立ち回り(アクション)、歌、感動、笑い、驚き、さらに衣装の早着替えなどとにかく飽きさせない。エンターテイメントのすべての要素がぎっしりと詰まっているのだ。歌舞伎という400年の歴史を誇る芸能が今も受け継がれている理由が分かった。そして、海外公演がおこなわれ、外国人の観客を魅了することに納得した。



主演の海老蔵はというと、ほかの役者さんの演技を見たことがないので比べようはないが、彼の持っているオーラはものすごく彼が特別であることは、素人目でみても認めざるを得ないほど。イメージ的にセレブとして派手な印象でしかなかったが、それは彼の一面でしかないことがよくわかった。

舞台の最中、「成田屋!」「大谷屋」「11代目!」という掛け声が飛んでいた。まさかロンドン公演でこんな掛け声がかけられるとは思いもよらなかった。さらにその掛け声の主はイギリス人だったのだ。それほど熱狂的なファンが海外にもいるということだ。掛け声を知らない外国人(いや、日本人もだけど)は、初めはそれに怪訝な表情をしていたが、後半には慣れてきたようだった。

とにかく大満足の舞台。これまで観た舞台の中でもベスト3に間違いなく入る、見応え充分の舞台だった。次回は値段が高くても、1階の良い席で観たいと思う。というのも役者たちの、表情の演技が3階席からはなかなか見えなくて…まぁ、だから安いんだけど。日本の東京の舞台や、京都の南座でもぜひ見てみたいです。その時は着物を着て出かけたいなぁ、と鼻息荒く誓った次第です。
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2010.06.18 / Top↑
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